ドイツで製菓のプロとして認められる、製菓ゲゼレ、製菓マイスター。工房での3年間の研修と、職業学校での研修を受け、ゲゼレ試験に合格することで、製菓ゲゼレを名乗ることができるようになります。デュアルシステムの教育制度に基づいて試験をパスしたゲゼレたちはかなりの長時間の試験を受けて合格した職人たちも職人として認められたときからが本当の意味での職人として磨いていくスタート地点とも言えます。試験をパスした成績によってその実力にはもちろん差がありますので、その後の就職の際に成績をきちんと取っておくことが大切。マイスターを目指したい人は尚更良い成績をとっておくことが大切です。
そして、その後、さらなるキャリアアップをしたい人は、マイスターを取得するための技術を身につけます。
今回は、製菓ゲゼレ、製菓マイスターとはなにか、どのような仕事をするのか、どうやったらなれるのかを、みなさんにご紹介いたします!
これから製菓のプロになりたい方、もっともっと製菓の技術を身につけたい方、必見です!
製菓ゲゼレはどんな仕事をするの?
ゲゼレを取得すると、ドイツにおいては製菓のプロとして認められますが、だいたいはその後、1、2年ほどゲゼレとしての経験を積むことで、実力のあるプロとして認められるようになります。
生ケーキ、焼きケーキ、パイ、焼き菓子(小ぶりのもの)、ムース、プラリネ、マジパン、アイスなど、製菓の製造工程を一通り習得。
ドイツで取得する国家資格のため、ドイツでしか学ぶことができない、ドイツケーキの製造工程や、日本ではあまり学ばない「マジパン」などを学ぶことができます。
ゲゼレの資格は、他のEU諸国でも認められているため、EU諸外国においてもプロとして就職することができます。ドイツ語圏であれば、語学の心配もありません。
ゲゼレ
またゲゼレにナルと製菓職人のプロとして認められるため、製造現場を任されることも多く、マイスターと一緒に商品開発に携わることもあります。
また、大会への出場機会などもありますよ。
マイスターになるにはどのような道があるのか。
ゲゼレは技術力が備わったプロとして認められますが、マイスターになるには、
技術に加えて、開発力、経営学、教育学を学び、すべてを合わせた4本柱の試験に合格した人のみ、マイスターになれます。
マイスターになるには:
ゲゼレ試験を合格し、ゲゼレになった人が、主に、さらなるキャリアアップのために、マイスターを取得します。
マイスターもゲゼレ同様、他のEU諸国でも国家資格として認められています。
マイスターとは:
開業資格でもあるため、工房(会社)の社長業、すなわち「経営マイスター」として活躍する場合と、現場の長として「現場マイスター」として活躍する場合があります。
現場マイスターは、研修生をプロに育成する教育を担うほか、商品開発の責任者としての立場になります。
責任者、管理者としての立場になるため、権限と責任のある仕事に就くことができます。
製菓ゲゼレ、製菓マイスターになると、こんなふうに活躍できる!
・ゲゼレ
製菓の会社、工房で、製菓製造のプロとして働けます。ホテルやレストランの製菓部門を担当することも。
ドイツの場合は、ゲゼレとしての給与水準が設定されているため、プロとして認められたゲゼレは、安価な賃金での雇用はできないため、安定した収入を得ることができるようにもなります。
・マイスター
開業資格を得るため、自分で製菓のお店を開くことができます。経営者、またはマネージメントを伴う、現場の長門なり活躍できます。
大手会社においても、マネージメントを司る中間層として活躍することが多い。
日本で活躍する、ドイツのマイスター資格取得者の方は、マイスターとしてのブランディングを構築し大活躍する方が多数います。
ゲゼレ、マイスターの資格がなくても、製菓の仕事に就くことはできる?
ゲゼレ、マイスター以外で製菓の仕事に携わる場合は、ゲゼレの下に位置づけられるため、ゲゼレを目指す研修生として、または雑用係、ヘルプのような立場として働くことになります。
製菓マイスターになるまで
まずは国家資格Geselle「ゲゼレ」を取得
ゲゼレを取得するための研修には、以下の要件が必要です。
1ドイツにおける以下の学歴(主だったものをご紹介)を有する者
・実科学校Learschuleレアルシューレ卒業
・基幹学校ハウプトシューレ卒業
・本来は大学を目指す人が多いGymnasiumでAbitur(大学進学資格)取得者
日本人が研修に参加する場合は、高校卒業資格が必要となります。
研修を受けるための就職先の確保(就職活動)
研修生として受け入れてもらう研修先を探し、就職活動をおこないます。就職できてはじめて(さらには労働許可・滞在許可も必要)研修を開始できるようになります。
ゲゼレになるための3年間の研修スタート
就職先が見つかったら、ゲゼレになるための研修がスタート!
週に5日勤務(業務時間8時間)し、そのうち1日は職業学校に通いながら、ゲゼレの試験を受けるために日々勉強を重ねていきます。
基本的勤務スタイル
週に4日:研修先工房での研修
週に1回:職業学校での研修
数週間まとめて学校に通う時期もあります。
ゲゼレの試験を受ける
ゲゼレ試験の前には実際に中間試験があります。研修二年目にうける試験になります。この試験の結果によってこの本試験の合否を把握することができ、十分に準備をして臨むことができます。
試験に合格し、ゲゼレとなったら、マイスターを目指す!
マイスターになるためにはやはりゲゼレ取得の際にいい成績を取得しておくことも大切。マイスター学校への入学をして試験を受けていくこのシステムにおいてはマイスター学校への入学にも一定程度の条件が課せられている場合があります。
製菓マイスターに向いている人(見出し)
ものづくり、クリエイティブなことが好き :⭐️⭐️⭐️⭐️
食への関心、味へのセンスがある人 :⭐️⭐️⭐️
チームワークでの活動が好き :⭐️⭐️⭐️⭐️
手先が器用 :⭐️⭐️⭐️
完成度への執着がある :⭐️⭐️⭐️
ドイツ語 :⭐️⭐️
製菓の経験 :⭐️⭐️
※製菓専門学校卒業、または製菓店で製造に携わっていた人は目指しやすいです。
まとめ
ドイツは製菓も含めスペシャリストを育成する仕組みが秀逸。実際の工房で実務経験を積みながら、職業学校で理論を学びます。
ゲゼレになれば、一通り菓子部門の製菓製造ができるようになります。さらにマイスターになることで、経営や教育に携わることになり、国家資格のキャリアアップが確実に可能に。
ドイツが優れている点は、転職をする場合も、それぞれの国家資格のランクで採用されるため、給与水準が確保されています。転職に有利な国家資格の仕組みが存在しているんですね。
今回ご紹介したドイツでの製菓のゲゼレを目指して見たい人、または他の職種でチャレンジしてみたい人、相談したい人は下記までご連絡ください。
相談先:
株式会社ダヴィンチインターナショナル
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